NICU(新生児集中治療室)では、特に早産や低出生体重、何らかの疾患を抱えた赤ちゃんたちが集中治療を必要としている。そこで働く看護師には、高度な技術と深い思いやりが求められる。朝、NICUの勤務は赤ちゃんたちの状態確認から始まる。看護師は、モニターに表示された心拍数や呼吸数、酸素濃度などをチェックし、異常がないかを確認する。その後、赤ちゃんに必要な処置を行うのである。例えば、点滴や薬の投与、必要があれば人工呼吸器の管理も行う。また、赤ちゃんの体温を保つための保育器の管理も大切な仕事の一つである。赤ちゃんたちの状態を観察しながら、家族へのサポートも重要である。初めて赤ちゃんと対面する家族は、不安や心配でいっぱいである。看護師は、家族に赤ちゃんの状態を説明し、必要なケアの方法を教える。家族が赤ちゃんに触れ合うことができるように、適切なタイミングでアドバイスも行う。この親子の絆を育むサポートは、多くの看護師にとって大きな喜びとなるだろう。休憩時間には、同僚との情報共有や自身の体力回復も大切だ。同僚と協力しながら、効率的に業務を進めるための工夫が求められる。夜勤の場合でも、昼間と同じように赤ちゃんのケアを続けるのがNICUの特徴である。24時間体制で赤ちゃんを見守る必要があるため、チーム一丸となって取り組む。夜には、再び赤ちゃんたちの状態を確認し、次のシフトの看護師に引き継ぎを行う。日々の些細な変化にも敏感に気づき、適切な対応をすることが求められる。このように、NICUの看護師の一日は非常に多忙であるが、その分、赤ちゃんが順調に回復し成長する姿を見ることができたときの喜びはひとしおである。この仕事の魅力は、何といっても小さな命と向き合い、家族と喜びを分かち合えることにある。難しい状況でも、赤ちゃんの笑顔や成長を支えることで、自身も成長できる貴重な経験が得られるのが、NICU看護師の素晴らしいところである。